研究課題/領域番号 |
15K05703
|
研究機関 | 釧路工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高橋 剛 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (50435393)
|
研究分担者 |
木村 真晃 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90285338)
福地 孝平 秋田大学, 理工学研究科, 特任助教 (40707121)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 固相接合 / 摩擦圧接 / 腐食 / ガルバニ電池腐食 / 金属間化合物 / 残留応力 / 電位差 |
研究実績の概要 |
本研究は,摩擦圧接の用途拡大を目的に,複数材料の組み合わせに対する異種異形状材の圧接接合法を開発し,腐食環境下で繰り返し負荷を受けた接合材が被る腐食疲労特性を明らかにすることにあった.まず,電位差の異なる3種類の材料組合せの摩擦圧接試験片に対する耐食性を評価したところ,ガルバニ電池腐食(以後,電食)による材料溶出量は電位差の大きさ順位と同じになった.電食は,接合面付近が最も強く発生し,卑の金属が著しく細くなる.例えば,Ti-6Al-4V合金とS15CKの接合試験片を6%濃度の塩化第二鉄水溶液に2週間浸漬すると腐食によって組織が脆くなるばかりではなく,S15CKの接合面積は腐食前の約半分になり,接合強度は10分の1以下に低下することが分かった.更に,摩擦圧接による接合強度は,接合条件に依存するため,結果的に耐食性に及ぼす影響も明らかにできた.この中で,単に接合強度不十分な条件の他に,金属間化合物(IMC)が生じる条件もある.この条件はIMCができない条件よりも金属溶出率(重量減少率)が少ないという新しい知見が得られた.この理由として,IMCの電位は両材料のそれの中間的電位に位置されるため両材料が直接接する電位差の約半分になるため溶出量が少なくなったと考えられる.但し,IMCが生じた条件は接合強度が低すぎるため,工業的用途を考える必要がある.接合条件が強度に影響を及ぼす要因の一つは接合残留応力である.これについてはX線残留応力測定装置を用いて測定すると共に,有限要素法を用いた構造解析によって接合メカニズムを明らかにした.
|