化学機械研磨(CMP)用砥粒について、砥粒の「化学的作用」に着目した検討を行った。サファイア基板のCMPの温度依存性から化学作用性を評価した。その結果、砥粒が一種の触媒のように振る舞い,Al-O結合の切断に必要な活性化エネルギーを低下していること、C面と比較して研磨速度が低いA面では、化学作用のメカニズムは同じであるが、研磨活性点の数が少ないことが示唆された。ガラス研磨用セリア系砥粒では、大きさ、形状、強度を揃えた粒子を合成し、粒子表面のCe3+の割合を変化させた結果、化学作用性にはセリウムの価数変化が重要な役割を果たしていることが実験的に確認され、最適なCe3+の割合の存在が示唆された。
|