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2015 年度 実施状況報告書

液体架橋のせん断における界面すべりの起因

研究課題

研究課題/領域番号 15K05757
研究機関東京海洋大学

研究代表者

田中 健太郎  東京海洋大学, その他部局等, 准教授 (60359693)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード液体架橋 / 濡れ / せん断 / 接触線 / ピン止め
研究実績の概要

液体架橋が介在する二面を相対運動させるとき,架橋の変形あるいは固液濡れ界面の移動を原因とする摩擦抵抗が働くことが知られている.本研究では,固液濡れ界面の移動を捉えることで,架橋の変形の程度を算出し摩擦抵抗との関係を調べた.
これまでの研究では,架橋の変形による摩擦抵抗は,せん断量に比例するとされおり,たしかに実験でも比例関係が見いだされいる.しかし,実験で得られた比例係数と理論的に予測される値との間には差があった.そこで,濡れ界面の移動を捉えてせん断率の算出を行い,理論値と比較したところ,非常に近い値となった.これは,従来の考え方通り,摩擦抵抗が液体架橋の変形の程度によること,つまり気液界面エネルギーの変化によることを意味するとともに,せん断開始直後の小さなせん断量の範囲でも固液濡れ界面の移動が起きていることを意味する.いわゆる接触線の完全ピン止め状態が(少なくとも今回の実験の範囲では)ない.これらの結果を取りまとめて,Tribology Letter誌に「Effective Shear Displacement on Lateral Adhesion Force of a Liquid Bridge between Separated Plates」と題する論文の投稿を行った(査読中).
また前述の結果を踏まえて,より精密に固液濡れ界面の移動を捉えるための装置開発を進めることし,干渉法あるいは全反射法の導入を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

28年2月まで約1年間,フランス・リヨンのINSAで研究活動を行った.この間は,日本に残る大学院生に実験装置の改良を進めてもらう計画であったが,想定通りには進まなかった.ビデオ会議を行って,研究打ち合わせは行うことができたが,実験装置の不具合等が起きた場合に,修正の指示をうまく行うことができなかった.帰国後には,不具合の修正を行い,順調に実験装置の改良を進めることができているが,当初の計画よりはやや遅れている.

今後の研究の推進方策

当初の案の通り,干渉縞観察機構を組み込むことで固液濡れ界面の形状またその変形を精密に測定するという方針で研究を進めている.ただ,この方法では観察範囲が制限されることが分かってきている.これを確認する予備実験の結果次第では,全反射法など異なる方法の採用も検討する.この場合でも光学機器等の多くは流用することができるので,無駄なく研究を進めることができると判断している.

次年度使用額が生じた理由

研究代表者が海外に滞在中は,大学院生に装置の改良を進めてもらう計画であった.しかし,装置の不具合の原因解明がweb会議を通した情報のやり取りではうまく進まず,予定していた改良が進まなかった.このために,想定していた部品購入を行えなかった.

次年度使用額の使用計画

2016年2月中旬に研究代表が帰国後は,着々と実験装置の改良を進めている.翌年度分と合わせて,着実に使用できると思われる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Slippage at Liquid Solid Interface of Sheared Liquid Bridge2015

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Tanaka, Katsumi Iwamoto
    • 学会等名
      International Tribology Conference 2015
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2015-09-20
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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