研究実績の概要 |
液体架橋が介在する二面が相対運動するとき,架橋の変形あるいは固液濡れ界面の移動を原因とする摩擦抵抗が働くことが知られている.本研究では,固液界面の移動を精密に捉えることで架橋の変形の程度を見積もり,摩擦抵抗との関係を調べることを目的としている. 架橋の変形を側方から撮影し,架橋の変形を見積って摩擦抵抗との関係を論じた論文をTribology Letter誌に投稿し掲載された(Kentaro Tanaka, Katsumi Iwamoto, "Effective shear displacement on lateral adhesion force of a liquid bridge between separated paltes" Vol. 64 No.1, 1-7, 2016). これまでの研究で,濡れの際,接触線の運動が非常に重要であることが明らかになっており,これを精密に観察するために,干渉縞を利用した測定を行うことにした.昨年度から主に,このための装置開発を行っている.運動面の下方から照射したレーザ光が,固液界面および気液界面で反射する際の光路差による干渉縞により接触線の運動を捉えることが可能になったところである.従来の方法では捉えるのが難しかった,極めて小さい接触角の評価が可能になった.これらの成果を2017年9月に開催される世界トライボロジー会議(WTC2017Beijing)にて発表することになっている. 液体架橋のせん断過程を解析的にとらえるために,粒子法による数値解析手法の開発を開始した.
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