生体関節液に含まれる蛋白質であるアルブミン及びγ-グロブリンの協調的な吸着膜が人工関節材料の低摩擦を発現する事から,それぞれの摩擦特性と吸着特性について調査を行い,得られた結果から低摩擦維持機構について考察した. アルブミンが低せん断性を,γ-グロブリンが強固な吸着膜を形成する特性を有することが明らかとなった.この特性の差異からアルブミンが低せん断性(低摩擦性)の効果を発揮し,γ-グロブリンが低摩耗を発揮することが明らかとなった.これらの特性が人工関節表面に吸着した蛋白質膜で発揮されることで低摩擦を維持できることを明らかにした.
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