研究課題/領域番号 |
15K05771
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
何 建梅 工学院大学, 工学部, 教授 (60358728)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療デバイス / 生体親和性 / メッシュプレート / 純チタン / ゴムメタル / 3次元高柔軟性 |
研究実績の概要 |
1. レーザー加工によった純チタンとゴムチタンプレートのメッシュプレート試作評価について,メッシュ構造の形状・寸法など各種設計パラメータに対応し,純チタンプレート材料とゴムチタン合金のプレート材料のメッシュ加工を行い,メッシュプレート試作試験片を作製した.また医療製品のコスト設定目標に達成できるための成形工程・洗浄工程・評価工程・包装工程などを含めたメッシュプレートの製品実用化の検討を行った.
2. 試作メッシュプレートの構造力学的特性の実験的評価では,レーザー加工による試作した純チタン製とゴムチタン製のメッシュプレートを実体顕微鏡で断面観察を行い、異なる材料のメッシュプレートのレーザー加工品質を把握した.また各種規格標準試験法に基づき、試作メッシュプレートの引張,圧縮及び曲げ特性に対する評価試験を実施し,純チタン製メッシュプレートとゴムチタン製メッシュプレートの伸縮弾性率や曲げ剛性などの構造力学的特性を把握できた.
3. チタンメッシュプレートの構造力学的特性を評価する有限要素解析手法の確立について,レーザー加工による純チタン製及びゴムチタン製試作メッシュプレートの実験評価に合わせて,3次元モデリングツールのSolidworksと熱・構造連成の最適化設計解析ツール(ANSYS Workbenchなど)を統合的に駆使し,純チタン製とゴムチタン製メッシュプレートの構造力学的特性を評価する各種実験に対する3次元モデリング解析評価を行い,各種実験結果との比較によってモデリング解析手法の妥当性を評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究計画は下記の通りであったため、当初の計画通りに進展している. 1. 3種類のメッシュプレート加工方法(ワイヤーカット放電加工,レーザーカット加工,エッチング加工)で純チタンとゴムチタンプレートのメッシュプレート試作評価
2. 試作メッシュプレートの構造力学的特性の実験評価
3. チタンチタンメッシュプレートの構造力学的特性を評価する有限要素解析手法の確立
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度では,下記の研究計画に沿って進める. 1. 引き続き試作純チタンとゴムチタンのメッシュプレート構造力学的特性の実験評価:異なる設計パラメータで純チタンおよびゴムチタン製メッシュプレートに対し,継続的に引張・圧縮および曲げ特性等を評価する実験を実施し,設計パラメータによる純チタンとゴムチタンメッシュプレートの伸縮弾性率や曲げ剛性などの構造力学的特性への影響を掴める把握する. 2. 生体液環境でメッシュプレートの耐久性評価:移植するメッシュプレートの耐久性を把握するため,生体液環境でのメッシュプレート疲労試験を実施する.同時に大量データ処理ソフトによるメッシュプレートの疲労特性に関する解析評価検討を行う. 3. 異なるチタン材料製メッシュプレートの構造様式に関する最適化検討とデータベースの構築:各種加工方法による純チタンとゴムチタンのメッシュプレート試作実験を対象とした3次元モデリング解析手法に基づき,実際に人工医療製品を移植する際の固定条件や生体液環境でのメッシュプレートの構造力学的特性変化も取り入れて,純チタンやゴムチタンなどの生体親和性の良い金属材料の特性やメッシュ形状・寸法等の設計パラメータを用いてメッシュプレートの構造力学的特性の最適化検討を行い,各種年齢層や骨部位の骨移植に対して人骨の比強度に近づける最適なメッシュ構造人工医療製品の構造仕様に関するデータベースの構築を行う. 4. 複数枚メッシュプレートの重ねスポット溶接様式構造の力学的特性評価:複数枚のメッシュプレートをパターンで重ねてスポット溶接技術の応用で,3次元面外変形するときの絡み合うことで異なる構造力学的特性を有する人工医療製品の利用を考える.
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次年度使用額が生じた理由 |
骨欠損の形状に合わせる設計解析評価を行うため,人骨と同じ複雑な形状で内部構造を有する健康母骨の形状モデル情報を取り入れたり,純チタンやゴムチタン製メッシュプレートの試作モデルと組み合わせた3次元CADモデルを用いるため,大量のモデルデータや解析結果を蓄積する必要がある.構造強度や最適設計検討用解析ソフトウェアは本学の既存のソフトウェア(有限要素解析ソフトANSYSや3次元CADツールSolidworksなど)を用いるが,データ収録用装置と大量データ処理ソフトが必要である. 他に試作メッシュプレートのテストピースを作製するための純チタンやゴムチタン製プレートの購入,レーザー加工に発生する費用や工具・評価実験用冶具の消耗品購入必要がある.また国内外での研究調査と,研究成果をアピールするための国内学会及び国際学会での成果発表に必要である.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度では,下記の研究費を使用する計画を立てている. データ集録装置(500千円);純チタンやゴムチタンプレートなどの消耗品(500千円); 国内外での研究調査と,研究成果をアピールするための国内学会及び国際学会での成果発表のための旅費(500千円);その他(ソフトウェア使用料や論文掲載料など300千円)
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