本研究では,下壁面から加熱された懸濁液中において,酸素に反応する走化性バクテリアによって生じる熱生物対流について三次元数値解析を行った.生物対流と熱対流のレーリー数,バクテリア濃度の初期乱れを変化させると,プルームの配置や形状が異なる熱生物対流パターンが形成される.生物対流および熱対流のレーリー数が増加すると,生物対流と熱対流の干渉が強まり,バクテリアと酸素の輸送特性が向上する.パラメータが同一条件であるとき,領域内に形成されるプルーム数が変化するが,領域全体の物質の輸送は定量的に変化せず,輸送特性は熱生物対流パターンに依存しない.これらの結果は既存の研究では得られていない研究成果である.
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