本研究の特色は、高い移流マッハ数の超音速円形ジェットに対し、速度分布の持つ不安定波の特性を利用した、ノズル部における能動的な騒音低減手法の可能性を理論的・数値的に探ることである。この不安定波による抑制手法が効果的であれば、ノズル部に与える不安定波の振幅は微小でよいことから、ノズル部に設置するアクチュエータも小型化が可能と考えられる。そのため従来の手法に比べ、推力低下を招かない、広範なマッハ数に対応した、高性能騒音抑制ノズルの開発に貢献できると予想する。さらに、ジェットの拡散(中心速度の低下)が促進できれば、空港での離発着時間短縮の妨げとなる残留ジェット気流の抑制にも貢献できる可能性がある。
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