研究課題/領域番号 |
15K05790
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山本 義暢 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (40377809)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高レイノルズ数 / 乱流構造 / 直接数値計算 / 乱流モデリング |
研究実績の概要 |
乱流による抵抗や輸送効果の解明及び高精度化は、機械工学・流体工学上はもちろん、熱工学・乱流熱伝達さらには環境工学といった広範囲な工学分野において重要な課題である.本研究では、この工学実規模の高レイノルズ数壁面乱流場における大規模構造理解を目的とし,高レイノルズ数乱流場における第一原理的手法に基づく詳細データベース(DNS、Direct Numerical Simulatio、データベース)構築を実施する。 本年度は、擬スペクトル法コードを用いて摩擦速度とチャンネル半値幅により定義されるレイノルズ数で1000、4000のDNSを実行とした。格子数は4000のケースで4096×2048×3072の格子点数を要した。十分な長さの時間積分を行い乱流統計量に関するデータベースの構築に成功した。このデータベースを用いて乱流モデル開発で重要となる散逸過程に関する解析を行った.その結果、散逸過程における物理機構は、理論解析による予測と整合することがわかった。 また新型ベクトル並列計算機及びスカラ並列計算機を対象とした高次精度差分法DNSコードのチューニング及び高度化を行い、実行演算速度で約55Tflop/sが達成できた。 次年度は開発コードを用いて、レイノルズ数8000のデータベース構築を目指す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型ベクトル並列計算機(東北大学SX-ACE)を対象としたプログラム開発を行い、大規模かつ高速演算が可能となった。 本コードを用いて、世界最大規模レイノルズ数(摩擦レイノルズ数で4000)のデータベース構築に成功するとともに、次年度における世界最大レイノズ数(8000)の実行見通しを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、次年度は、世界最大レイノルズ数(8000)のDNSを実行し、DNSデータベース構築を目指す。 また得られたDNSデータベースを用いた乱流構造解析及び乱流モデル評価を実行し、応用面での成果も担保する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初申請においては初年度にデータベース保存用のサーバー(65万円程度)を購入し、次年度に外付けHDDを購入する予定であった。 しかしDNSデータベース構築のための計算機使用料が当初予定より超過したため、サーバ購入が困難となり、初年度に外付けHDDを購入し、サーバー購入代の一部を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
本課題の最優先事項は、データベース構築であるため、計算機使用料に優先的に使用する予定である。また昨年度の繰越金と旅費を節約することにより、データベース保存用のサーバを購入する予定。
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