研究課題/領域番号 |
15K05793
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
飯田 明由 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30338272)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 生物流体 / 飛翔安定性 / 羽ばたき運動 / 乱流 / MAV |
研究実績の概要 |
今年度は羽ばたき翼周りの流れをプラズマアクチュエータ(PA)を用いて制御することを目的として,制御実験,可視化実験を行った.また,数値解析技術を開発し,特にPAを模擬する技術を開発した.以下に今年度得られた知見を示す. ・平板翼を振動させ,はく離制御の効果を比較した.迎え角2°~6°の条件で可視化を行った結果,PAによる制御を行わない場合は,振り上げ時,振り下げ時ともに前縁付近で流れがはく離し,大規模なはく離渦が発生するのに対して,PAによって流れを制御した場合,前縁での渦の発生が抑制され,平板に沿った流れとなることを確認した.ただし,迎え角が大きい6°の場合は,振り上げにおいてはPAにより剥離を制御できているが,振り下げ時の下死点付近において制御効果が小さくなった.これはPAの出力が不足したことによるものと考えられる.これらの結果から,単純な正弦波振動平板においても,迎え角に応じて適切な制御条件を選ぶことにより,PAによって振動の上死点,下死点及び中央付近(振動速度最大)の各位置において,はく離が抑制できることが確認できた.したがって,振り上げにはPA制御を行い,はく離を抑制し,振り下げ時にはPA制御を行わなければ,はく離が発生することから,ひねり運動を加えなくとも,昆虫の羽ばたき飛行に必要な渦の制御が可能となると考えられる. 上記の実験を模擬した数値解析を行うため,PAを模擬した解析プログラム,羽ばたき翼を模擬した移動境界解析プログラムを開発し,流れ場の制御計算を行い,上記と同等の解析結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験装置の開発,制御技術の開発など概ねスケジュール通りであり,特に大きな問題は発生していない.解析についてもPAのモデルを組み込むことに成功した.
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今後の研究の推進方策 |
実験及び解析については予定通り,今後,乱流の影響を中心に研究を進めていく. 数値解析についてはPAのモデル化が成功したので,この技術を活用して性能評価を行う.
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