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2015 年度 実施状況報告書

三次元超音速噴流の密度測定に対するレインボーシュリーレン断層撮影装置の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K05804
研究機関北九州市立大学

研究代表者

宮里 義昭  北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (30253537)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードレインボーシュリーレン法 / トモグラフィ / 衝撃波 / 超音速噴流
研究実績の概要

超音速噴流の構造を定量的に調べることは,学問的にも工学的にも非常に重要なため,これまで多くの実験的及び理論的研究が行われている.その結果,超音速噴流の圧力場についてはある程度明らかになっているが,密度場の詳細については不明な点が多い.従来より,衝撃波を含む密度場を定量的に光学観察する手法として,背景シュリーレン法,フォーカシングシュリーレン法,モアレシュリーレン法,レインボーシュリーレン偏向法が利用されているが,その中でもレインボーシュリーレン偏向法は,最も空間分解が高く,密度の計測値の精度も非常に高い.しかし,レインボーシュリーレン偏向法を発展させて超音速噴流の三次元密度場を光学的に定量計測した例は,国内のみならず国外においても全くない.そこで本研究では,レインボーシュリーレン偏向法にコンピュータートモグラフィを組み合わせて,超音速噴流の三次元密度場の計測が可能な全く新しい光学計測法(レインボーシュリーレン断層撮影法)を確立した.まず本研究では,レインボーシュリーレン断層撮影法による密度再構成の妥当性を定量的に評価するために,軸対称先細ノズルからの不足膨張噴流に対してレインボーシュリーレン偏向法を適用し,従来のアーベル変換法を用いた密度再構成とレインボーシュリーレン断層撮影法による密度再構成の定量的比較を行った.その結果,両手法による密度の計測値は,定量的にほぼ一致することがわかった.次に,軸対称先細ノズルからの不足膨張噴流に対して,k-wSST乱流モデルを用いたRANSシミュレーションを行い,数値計算による密度の計算値をレインボーシュリーレン断層撮影法による密度の計測値と定量的に比較した結果,両者による噴流内の密度の値は定量的に良く一致することが分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,衝撃波を伴う噴流内の密度場を三次元で光学的かつ定量的に計測する手法を確立できた.また,三次元数値計算コードの開発も行い,本計測値と定量的に良く一致することを明らかにした.さらに,比較的弱い衝撃波を伴う軸対称および矩形先細ノズルからの噴流に対して,従来の信頼性のある理論解析を行い,本計測手法と数値計算および理論解析による密度の値を比較した結果,三者は定量的に良く一致することがわかった.以上の結果,本計測手法の妥当性が明らかになった.

今後の研究の推進方策

平成28年度は,本計測手法の妥当性をさらに検証するために,設計マッハ数1.5の軸対称および矩形の超音速ノズルからの衝撃波を含む流れ場に対してレインボーシュリーレン断層撮影法と三次元数値計算および理論解析を適用し,三者を定量的に比較検討する予定である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] Three-Dimensional Rainbow Schlieren Measurements in Underexpanded Sonic Jets from Axisymmetric Convergent Nozzles2016

    • 著者名/発表者名
      Takano, H., Kamikihara, D., Ono, D., Nakao, S., Yamamoto, H., and Miyazato, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Thermal Science

      巻: 25 ページ: 78-83

    • DOI

      10.1007/s11630-016-0836-0

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] シュリーレンCTを用いた矩形先細ノズルによる不足膨張音速噴流の定量的可視化計測2016

    • 著者名/発表者名
      秋田勇太,小野大輔,仲尾晋一郎,宮里義昭
    • 学会等名
      日本機械学会九州支部第69期総会講演会
    • 発表場所
      熊本大学工学部(熊本県熊本市中央区)
    • 年月日
      2016-03-15 – 2016-03-15
  • [学会発表] Assessment of Numerical Simulation for Underexpanded Sonic Jet issued from Axisymmetric Convergent Nozzles2015

    • 著者名/発表者名
      Akita, Y., Nakao, S., Ono, D., and Miyazato, Y.
    • 学会等名
      The 2015 Asia-Pacific International Symposium on Aerospace Technology (APISAT2015)
    • 発表場所
      Cairns, Queensland, Australia
    • 年月日
      2015-11-25 – 2015-11-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Numerical Simulations of Free Jets from Square Supersonic Nozzles2015

    • 著者名/発表者名
      Nakao, S., Muranaka, T., Miyazato, Y., Kashitani, M., and Yamaguchi, Y.
    • 学会等名
      Twelfth International Conference on Flow Dynamics (ICFD2015)
    • 発表場所
      Sendai International Center,Sendai, Miyagi,Japan
    • 年月日
      2015-10-27 – 2015-10-29
    • 国際学会
  • [学会発表] Three-Dimensional Rainbow Schlieren Measurements in Underexpanded Sonic Jets from Axisymmetric Convergent Nozzles2015

    • 著者名/発表者名
      Takano, H., Kamikihara, D., Ono, D., Nakao, S., Yamamoto, H., and Miyazato, Y.
    • 学会等名
      12th International Symposium on Experimental Conputational Aerothermodynamics of Internal Flows
    • 発表場所
      Lerici, Italy
    • 年月日
      2015-07-13 – 2015-07-16
    • 国際学会
  • [学会発表] Quantitative Estimation for RANS-Simulation of Underexpanded Sonic Jets from Axisymmetric Convergent Nozzles2015

    • 著者名/発表者名
      Kamikihara, D., Takano, H., Ono, D., Nakao, S., and Miyazato, Y.
    • 学会等名
      12th International Symposium on Experimental Conputational Aerothermodynamics of Internal Flows
    • 発表場所
      Lerici, Italy
    • 年月日
      2015-07-13 – 2015-07-16
    • 国際学会
  • [学会・シンポジウム開催] 12th International Symposium on Experimental Computational Aerothermodynamics of Internal Flows2015

    • 発表場所
      Lerici, Italy
    • 年月日
      2015-07-13 – 2015-07-16

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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