研究実績の概要 |
本年度は,軸対称の先細ノズルとラバルノズルからのマッハディスクを伴う不足膨張噴流に対して,アーベル逆変換の原理を用いて密度場を得た場合と,ノズルを等間隔に回転させて撮影したレインボーシュリーレン写真からCTの原理を適用した解析した場合の密度場を求め,両者の密度場を比較した.その結果,シュリーレンCT による密度の計測値はアーベル逆変換や数値計算によって得られる密度値と定量的に良く一致することが分かった. 同じ条件で,軸対称超音速マイクロノズルからの噴流に対して,レインボーシュリーレン法による計測とRANS 方程式による数値計算及び微少変動理論による解析を行った.その結果,ノズルの中心軸を含む噴流断面の等密度線図は,数値計算によって算出されたものとほぼ一致することがわかった.また,理論解析による噴流中心軸上の密度値はノズル出口直後では実験値とほぼ一致しているものの,下流にいくにつれて実験との差が開くことが分かった. 以上の結果および過去の実験結果を比較し,レインボーシュリーレンCT計測による密度値の精度や空間分解能に関する知見を得た.
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