研究課題/領域番号 |
15K05818
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森吉 泰生 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40230172)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 熱機関 / 低温プラズマ / 極短パルス制御 / 希薄限界改善 |
研究実績の概要 |
本研究で利用する低温プラズマによる着火は連鎖酸化反応の促進と考えられるが,そのメカニズムは明らかになっていない.さらに繰り返し短パルスに期待している効果として,①パルスの長さで電子に与えるエネルギーの量を変えられる,②パルスを打つタイミングおよびパルス間隔を変えることで,生成されるラジカルの種類を変えられる,③電源回路から出力されるパルス電圧の時間変化(dV/dt)を制御することでプラズマ形態を変え,分子に与えるエネルギー量と形態を変えられる,という3点を仮定している.本研究の目的はこの仮定を証明し,これに基づきバイオや粗悪な燃料に対して,有害排出成分を抑えたままで熱効率を上げる燃焼制御に適用できる手法の提案を行うことにある. そこで,1年目はパルスを打つタイミングおよびパルス間隔を任意に変更して実験を行えるように電源回路とパルス発生装置の改造を行った.この装置を単気筒ガスエンジンの点火系に適用し,性能試験を行うことができた.その結果,従来点火方式と比較し,少ない放電エネルギーで安定した着火を行わせることができた.但し,混合気の希薄化を進めた場合,同じ出力を出すために圧縮圧力が増大するため,放電電圧を高めないと放電が生じなくなる場合があった.この解決のためには,電源電圧を上げること,プラグの絶縁性能を上げる必要のあることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
電源の改造を短期間で行うことができた.すでに稼働中の単気筒エンジンを使って,速やかに実験を行うことができた.
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今後の研究の推進方策 |
単気筒エンジンで実験を行った結果,パルス間隔や時間の制御は問題ないが,筒内圧力が上昇したときは電源電圧が不十分で,放電が発生しないことが問題となった.そこでこの問題を解決する必要がある.具体的に,電源電圧を上昇できるようにすること,それに耐える絶縁性を持ったプラグの試作が重要である.
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次年度使用額が生じた理由 |
電源回路の改造費が当初予定を下回った.
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次年度使用額の使用計画 |
プラグ試作費が当初予定を超える見込みで,来年度に持ち越す.
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