研究課題/領域番号 |
15K05821
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
門脇 敏 長岡技術科学大学, 技術経営研究科, 教授 (20185888)
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研究分担者 |
勝身 俊之 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (60601416)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 熱工学 / マイクロ火炎 / 消化ガス / 酸素富化 / 国際安全規格 |
研究実績の概要 |
本研究では,未利用バイオマスの有効利用とエネルギーの高効率利用を目的として,バイオメタンガスなどの消化ガス(またはバイオガス)を燃料とする酸素富化燃焼(または酸素燃焼)を取り扱っている.消化ガスを酸素富化燃焼させるために,マイクロ対向流バーナーを用いている.燃焼装置の設計・製作および実験の遂行は,安全確認型の考えをベースとする国際安全規格(ISO12100:2010, EN1127-1:2011)に基づいて行っている.本実験では,消化ガス・酸素マイクロ対向流拡散火炎の厚みやその径に及ぼすバーナー内径やバーナー間距離,並びにガス流量の影響を調べている.そして,火炎厚みに与える火炎伸長の効果を精査している. 本年度は,燃料としてメタンおよび消化ガスを採用し,縦型と横型の対向流バーナーを用いている.そして,対向流拡散火炎の基本特性を実験的に調べ,メタン・酸素マイクロ対向流拡散火炎を取り扱った昨年度の研究結果と比較している.実験で得られた主な知見は次の通りである. ①縦型の対向流バーナーを用いた場合:メタンが上方から(酸素が下方から)供給されるとき,火炎が形成される最小のバーナー間隔は狭くなる.また,火炎径と火炎厚みは,メタンが下方から供給されるときと比較すると大きくなる.さらに,火炎厚みと火炎径は,バーナー間隔が小さくなると共に減少し,ガス流量が増大すると共に大きくなることを確認している.得られた知見は国際会議で発表している. ②横型の対向流バーナーを用いた場合:消化ガス中のメタン混合比率が小さくなると共に,火炎径と火炎厚みは小さくなる.火炎伸長率は火炎厚みに大きな影響を及ぼしており,それが増大すると共に火炎は薄くなる.さらに,消化ガス中のメタン混合比率は可燃領域に影響を与えており,それの減少と共に可燃領域は単調に狭くなる.得られた知見は学会で発表している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,縦型と横型の対向流バーナーを用いて,マイクロ対向流拡散火炎を取り扱い,その基本特性を実験的に調べている.そして,メタン・酸素マイクロ対向流拡散火炎と消化ガス・酸素マイクロ対向流拡散火炎とを比較し,前者では,より広い可燃領域をもつことを示している.さらに,火炎厚みをバーナー内径と酸素流速で標準化することにより,標準化した火炎厚みと火炎伸長率の関係が一律的になることを確認している. 本研究で得られた成果は有用なものであり,その成果を国内外の学会で発表していることから,本研究はおおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,燃料としてメタンおよび消化ガスを採用し,マイクロ対向流拡散火炎の基本特性に関して,有用な知見を得ている.来年度以降は,燃料や酸化剤の成分を変化させ,火炎厚みと火炎伸長率の関係をより精密に調べ,バーナー内径やガス流量への依存性を明らかにする.また,バーナー壁面の温度を測定する等して,火炎特性に及ぼす周囲環境の影響を精査する.これらの実験で得られる知見を整理して,マイクロ対向流拡散火炎のメカニズムを詳細に探究し,適切なモデリングを行う予定である. 得られる研究成果は,国内外の学会等で発表すると共に学術雑誌等で公表し,広く社会に還元する予定である.
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