研究実績の概要 |
平成28年度は、(1)水平加熱円柱を水平から一定の傾斜角θを有する平面上に等間隔Gで一列に配置した円柱列および(2)水平加熱円柱を水平および垂直方向に一定な間隔Gh,Gvで格子状に配置した円柱列まわりに生じる自然対流について伝熱実験を行った。そのうち(1)については、常温の空気中に10本の円柱(d=8.4,14.4mm)を間隔G=3.6-20.6mmで、θ= 0, 30,45,60,75,90°の傾斜面上に設置した場合について実験を行った。その結果、円柱のヌセルト数は水平円柱列で極大、垂直円柱列で極小となり、傾斜円柱列では両者の中間値を示すこと。傾斜円柱列の最外側を除く円柱のヌセルト数NuGはパラメータRaG*(G/d)を用いて整理でき、傾斜角θが75°以下では円柱の設置位置によらず一本の曲線上に、またθが75°以上では円柱の設置位置ごとに一本の直線上にまとまることが分かった。ここで、NuGおよびRaG*は間隔Gを代表長さとするヌセルト数および修正レイリー数である。一方、(2)については、空気中に加熱円柱(d=8.4,14.4mm)を水平方向に10本、等間隔Ghで配置し、この円柱列を垂直方向に5段、間隔Gvで格子状に配置した場合について、各円柱のヌセルト数を測定した。その結果、円柱群の最下段に設置された水平円柱列のGv基準の平均ヌセルト数NuGvは、Gvを代表長さとする修正レイリー数RaGv*と(Gv/d)の2乗との積RaGv*(Gv/d)^2で予測できること。一方、バンクの2段目から5段目に設置された円柱の円柱のヌセルト数NuGvは、Gvを代表長さとする修正レイリー数RaGv*と、Gv,Ghと円柱直径dの比の積[RaGv*(Gv/d)(Gh/d)]で予測できることを明らかにした。
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