金属加工工場から排出される金属切削屑をリサイクルする際の品質向上を目的に,過熱水蒸気を用いる不活性雰囲気の下,油分付き切削屑の脱脂処理を行った.加熱処理温度,蒸気流量,処理時間をパラメータとして,脱脂処理後の油分付着率と処理時の消費エネルギーを分析評価した.原料として,旋盤作業時に排出される切削油が付着するアルミニウム系切削屑を対象とした.省エネルギー処理の観点で,過熱水蒸気を凝縮させずに循環利用する蒸気循環脱脂システムを構築した.その結果,目的とする脱脂量を達成し,省エネルギー処理を踏まえた高温処理の有効性を定量的に示した.
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