研究課題/領域番号 |
15K05828
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福田 勝哉 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (10127417)
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研究分担者 |
劉 秋生 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80294263)
柴原 誠 神戸大学, 海事科学研究科, 特命助教 (70628859)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 強制流動熱伝達 / 過渡沸騰 / 定常沸騰 / 過渡限界熱流束 / 定常限界熱流束 / ミニチャンネル / サブクール度 / 指数関数状発熱率 |
研究実績の概要 |
①高流速水管内流動沸騰定常・過渡CHFの実験的研究 当初研究計画で予定した20m/s程度の高流速実験は、電源容量の不足により実施できなかったので、既存データが少ない10m/s程度の実用的な流速で、管内流動沸騰定常・過渡CHFの実験研究を行った。平成27年度に実施できなかった条件を中心に、純水を用い、種々の速度で変化する指数関数状発熱率を与え、円管内径、肉厚、有効長さ、流速、系圧力およびサブクール度を変え、管内流動沸騰定常・過渡CHFを系統的に求めた。円管内径は、1及び2mmの細管を使用して行った。平成27年度と同様、既設の加圧器を用い、確度の高い定常・過渡限界熱流束を求めた。 ②管内内流動沸騰開始条件の解明に関する実験的研究 管内における水流動沸騰において、沸騰開始の現象を解明することは、非沸騰状態から沸騰状態に遷移する条件を明らかにすることができる。円管発熱体直径、有効長さ、系圧力およびサブクール度を変え、流動沸騰開始条件を系統的に求めた。純水中において、種々の速度で変化する指数関数状発熱率を与えて、沸騰開始条件を決定するために、赤外線放射温度計で円管表面温度を観測しながら得られた動画の画像処理のみならず、高性能マイクロフォン音響装置によって得られた音響データを分析しているところである。新たに音響解析手法を導入し現象の解明を行っている。 ③管内流動沸騰定常CHFに関する非線形現象実験データの再構築を行い、非沸騰熱伝達相関表示式及び定常・過渡限界熱流束(CHF)に関する実験相関式を作成し提案した。 ④大気圧以下の減圧下フロリナートFC-72中の円柱における定常・過渡プール沸騰熱伝達及び定常・過渡沸騰限界熱流束及び円管内管内流動非沸騰定常及び過渡熱伝達現象の解明を行い、実験相関式を作成し、提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、28年度までに、3mm程度以下の円管発熱体を用いて、20m/sを超える高流速水流動非沸騰及び沸騰実験を予定していた。しかしながら、加熱用直流電源容量の不足により実施できなかった。そこで、既存データもなく、また実用的な流速である10m/s程度での伝熱流動沸騰実験を行った。さらに、液体をフロリナートFC-72を用いた流動非沸騰熱伝達の比較実験も行い、異なる流体での比較もでき、おおむね順調に進展している。なお,29年度は、内径1mm以下の細管において、20m/sを超える高流速で伝熱流動沸騰実験ができる見込みがついている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、最終年度となる。 ①高流速水管内流動沸騰定常・過渡CHFの実験的研究:平成27年度及び28年度に実施できなかった実験条件を中心に、純水を用い、種々の速度で変化する指数関数状発熱率を与え、管内流動沸騰定常・過渡CHFを系統的に求める。平成27年度及び28年度と同様、既設の加圧器を用い、確度の高い定常・過渡限界熱流束を求める。 ②管内内流動沸騰開始条件の解明に関する実験的研究:沸騰開始条件を決定するために、赤外線放射温度計で円管表面温度を観測しながら得られた動画の画像処理のみならず、高性能マイクロフォン音響装置によって得られた音響データの分析を進める。 ③管内流動沸騰定常CHFに関する非線形現象実験データの再構築:追加データの取集により、非沸騰熱伝達相関表示式及び定常・過渡限界熱流束(CHF)に関する実験相関式の確度を上げる。 ④フロリナートFC-72の円管内管内流動非沸騰定常及び過渡熱伝達現象の解明:円管内管内流動沸騰定常及び過渡熱伝達現象の解明のために、円管内径及び流速を変えて実験を行い、実用的な実験相関式を作成する。 ⑤研究成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
消費税の端数処理によって次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
「研究成果発表等」に合算して使用する予定である。
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