本研究では,表面に酵素を固定化した磁性粒子(磁性粒子/酵素複合体)の自己組織化クラスター構造の形成とそれらクラスターの高周波交流磁場中における発熱およびこれに起因した酵素活性変化を解析した.磁性粒子/酵素複合体に高周波交流磁場を印加すると粒子の発熱によって粒子表面の酵素が活性化するが,直流・交流複合磁場中では複合体のクラスター形成が促進され,酵素活性のさらなる上昇がみられた.また磁性粒子/酵素複合体に回転磁場を印加すると酵素が活性化し,活性は回転磁場の周波数に応じて変化する.本研究では回転磁場と高周波交流磁場を同時に印加し,回転磁場のみ印加した場合に比べ活性がさらに上昇することを明らかにした.
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