研究課題/領域番号 |
15K05849
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
赤坂 亮 九州産業大学, 工学部, 教授 (60369121)
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研究分担者 |
東 之弘 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (90183095)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 状態方程式 / 熱力学的性質 / 飽和蒸気圧 / 密度 / 冷媒 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き,関数の一般形の最適化を行った.熱力学的拘束条件とGaussian項の指数の上限および下限を調整することにより,PVT性質や飽和蒸気圧しか実測値情報が無い物質に対しても妥当な比熱や音速を求めることが可能になった.この関数形を用い,高温用ヒートポンプ冷媒の一つとして期待されているR-1224yd(Z)の状態方程式を作成した.この成果は2017年9月にオーストリアで開催されるヨーロッパ熱物性学会で発表する予定である.さらにこの関数形を用いて昨年度開発したR-1243zfの状態方程式を更新した.こちらは2017年10月に東京で開催される日本冷凍空調学会年次大会で発表予定である. 一方,昨年度発表したR-1336mzz(Z)の状態方程式については,さらに高精度な式への要望が高まっていることから,研究協力者である米国NISTのMcLinden博士に高圧域の熱物性測定を依頼し,現在測定が行われている.博士の結果を待って状態方程式を更新する予定である. さらに,本研究課題の目的物質の一つであるR-32についても,ほぼすべての実測値を不確かさの範囲内で再現できる状態方程式がすでに完成している.残された唯一の問題点は,会合性が最も顕著に現れる飽和蒸気近傍の気相PVT性質の不確かさが大きいことである.この問題点を修正するためには,気相域の高精度な測定値が必要である.この測定もMcLinden博士に依頼しており,本年度後半にも測定が開始される予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題で開発した関数形は,当初予定していなかったR-1243zfやR-1224yd(Z)にも適用され成果を挙げているため.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の結果によって本研究課題で開発した関数形の有用性が確認できたため,過去に開発した状態方程式(R-1234ze(Z)など)の更新を試みる.また,McLinden博士の測定結果を待ってR-32の状態方程式を完成させる.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が大学を異動したことにより,所属変更等の手続や分担金の配分に時間を要し予算消化のための時間が不十分であったため,平成28年度の使用分を平成29年度に持ち越した.
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度に全額を消化する予定である.
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