本研究は,エンドミル加工中に加工精度の低下,工具摩耗や破損など様々な問題を生じる再生びびり振動の新たな抑制対策を提案することである.具体的には,被削材を加振し,切削加工中の切れ刃と被削材間の相対速度を変動させ,切れ刃通過周期間の時間遅れ量を周期変動させることで,時間遅れに起因して発生する再生びびり振動の抑制を試みた.まず,被削材加振によって時間遅れ量が変動する遅延微分方程式系の安定解析を行ない,抑制効果の高い加振条件を明らかにした.次に,切れ刃の接線方向速度を変動させて時間遅れ変動切削を実現する加振ステージを設計,製作し,切削加工実験を行い,再生びびり振動の抑制効果を確認した.
|