研究実績の概要 |
機械系の運動と振動の制御問題において,制御仕様に応じて適切なパッシブ要素の選択,アクティブ,セミアクティブ制御の導入およびそれらの要素の最適設計問題について検討を行った. 従来,機械系の運動と振動の制御系設計においては,はじめに制御手法(パッシブ,セミアクティブ,アクティブ)の選択を行い,その後それぞれの制御則中の設計変数を最適化しており,複数の制御手法が混在した状態での制御系設計問題は想定されておらず,設計手法も確立していない. アクティブ制御,セミアクティブ制御を混在させたアクティブ/セミアクティブハイブリッド制御系の設計問題を定式化した.本問題に対する制御系設計手法を複数提案し,アクティブ/セミアクティブハイブリッド制御手法が,セミアクティブ制御またはアクティブ制御単独の枠組みでは実現不可能な制御性能を達成できることを示した. アクティブ振動制御の手法として,遠隔地で観測された地震速報情報と予見制御を組み合わせることによって,従来のフィードバック制御を上回る制御性能の実現を試みた.観測所で得られた外乱を入力とするニューラルネットワークを構成し,ネットワーク中の設計パラメータである結合重みやバイアス値を予見制御によるアクティブ制御を前提として最適化することによって,航造詣の状態量のフィードバックのみによるアクティブ制御を上回る振動抑制性能を実現した. また,セミアクティブ制御系の設計手法として,記録された異なる周波数・時間特性を持つ地震波に対して最適化された制御側を,ニューラルネットワークによってゲインスケジューリングすることによって,将来の未知の地震外乱に対して高い制御性能を発揮するような手法を提案した.
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