研究課題/領域番号 |
15K05875
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
三浦 光 日本大学, 理工学部, 教授 (50157434)
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研究分担者 |
淺見 拓哉 日本大学, 理工学部, 助手 (60706571)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 超音波 / 振動 / 砥粒 / 加工 / 縦振動 / ねじり振動 |
研究実績の概要 |
超音波振動による脆性材料の加工法に,超音波加工と呼ばれる超音波振動をする工具ホーンと砥粒を用いた加工法がある。従来,超音波加工は,縦振動のみを用いていたため,加工時間の短縮が困難となっていた。この問題に対して,超音波加工に用いる振動を縦振動とねじり振動を組み合わせた複合振動とすることで,加工時間を従来の約2/3に短縮できること,また,加工精度を向上できることが明らかにされている。しかし,複合振動による超音波加工の原理解明はまだ行われておらず,加工に最適な縦振動とねじり振動の割合についても明らかにされていない。本研究は,複合振動を用いた場合の加工原理の解明によって,更なる加工時間の短縮,及び加工精度の向上を目指している。平成27年度は,加工に用いるための超音波振動源の開発,及び加工装置の作成を行なっている。 平成28年度の研究業績としては,縦振動とねじり振動を変化させた場合のソーダライムガラスの加工特性の検討を行なった。平成27年度に開発した超音波振動源を用いて,ソーダライムガラスに対して直径8 mmの穴加工実験を行い,その特性を明らかにした。その結果,加工時間は,縦振動に対してねじり振動が大きい場合に,短縮されることがわかった。また,加工に必要な圧力は,縦振動に対してねじり振動が大きい場合に,減少することがわかった。以上より,縦振動とねじり振動による複合振動を用いることにより,縦振動と比較して,加工時間は短縮し,加工に必要な圧力も減少することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の平成28年度の研究計画は,縦振動とねじり振動の割合を変化させた複合振動を用いた基礎的な加工特性として,加工時間及び加工精度の特性を明らかにすることであった。しかし,加工時間のみの検討となり,加工精度の検討が行えなかった。その原因は,実験による振動源の消耗が激しく,振動源の作成に時間を要したためである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終的な目標は,複合振動を用いた場合の加工原理の解明によって,更なる加工時間の短縮,及び加工精度の向上を目指すことである。その目標のために,平成29年度は以下の検討を行なう。 1. 縦振動とねじり振動の割合を変化させた複合振動を用いた基礎的な加工特性の検討を行なう。平成28年度に引き続き,ソーダライムガラスを用いて,その加工特性を明らかにする。具体的には,平成28年度に検討した条件にて加工精度の検討を行なう予定である。また,複合振動の有意性を明確にするために,縦振動のみを用いた加工特性についても詳細に検討する予定である。 2. 加工の際の砥粒の動きを観察する。本検討は,平成27年度に作成した装置を用いて,加工の際の砥粒の動きをハイスピードカメラにて観察し,加工対象の除去過程を検討する予定である。これにより,従来の縦振動と比較して,提案している複合振動による加工の原理を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験試料の購入などが学内予算にて支弁することが出来たため,次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の使用計画は,実験試料として,ガラス等の加工対象,及び振動源に用いる金属棒の購入を予定している。
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