本研究では,圧電素子の微小な変位を拡大しながら物体を駆動する動力伝達型の超音波モータの開発を行った.動力伝達機構にはベルクランク型の機構を採用し,物体との接触部には板状部材を導入した.その結果,2段階の拡大が可能となる.設計製作したステータの基礎特性を測定した結果,圧電素子の伸長量に比べてベルクランク機構で1.91倍,ロータと接触する板状部材で3.43倍の変位拡大が得られた.つぎに,駆動性能について検証した結果,直径30mmのアクリル素材のロータに対して,駆動電圧が80V,与圧が2Nのとき,366rpmの回転数が得られた.
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