研究実績の概要 |
タイヤは走行地盤と車両の間に存在し, 重要な駆動力を生み出し, そして車のボディに伝達させる重要な部分である. そのタイヤひとつでもバーストを起こしてしまうと車両は走行することが難しくなってしまい, 本来の目的を達成させることができない. 東日本大震災のような被災・天災が起きた際, 一般道路やレスキュー活動(救急隊や消防隊など)に必要な道路はさまざまな瓦礫で覆われた. 空気圧で保持されているタイヤの場合, こういった瓦礫上を走行すると瓦礫の先端など鋭角なものが柔らかい車輪表面に刺さり, バースト(空気破裂現象)を起こす. 実際のレスキュー活動において, 車両のタイヤはパンク現象が多々見られた. また, 通常走行において, 釘のようなわずかな鋭利な物体が刺さり突然パンクすることもあり人的事故に繋がるケースもある. そこで, 提案する空気レスタイヤの剛性を自動的に制御し, タイヤの表面部品(トレッド材)に取り付けた滑りセンサーとの情報を統合させた画期的な空気レス・インテリジェンスタイヤを開発する. 空気レスタイヤの剛性を変化させる機構は,以前試作してきた可変剛性機構よりも重い重量に対応できる圧縮バネの特性を利用したものを発案した.さらにその機構の表面, つまりタイヤの表面部分にセンサー取り付ける構成とした. 実際に走行試験を実施し, 様々な結果を解析し, 走行時の接地圧状態を測定することができた. これらの情報から滑りやすい軟弱地盤上の走行時と滑りずらい剛体地盤のときの状態を判別させ, フィードバック情報として利用して, 適切な可変剛性を実現させるアルゴリズムを構築した.
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