研究課題/領域番号 |
15K05893
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
毛利 哲也 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40418728)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 知能機械 / 知能ロボティックス |
研究実績の概要 |
宇宙空間や原子炉等、人間の立ち入りが困難な極限環境では、人間型ハンドロボットによる巧緻な作業の実現が期待されている。しかし、高度な判断を必要とする作業は自律的に人間型ハンドロボットを制御するよりもマスタ・スレーブによる制御が実際的で有用と考える。しかし、重量物が把持可能な人間型ハンドロボットのマスタ・スレーブの研究開発例はない。そこで、本研究では物体との把持・操作を伴う作業で必要不可欠な力・モーメントを考慮したパワー増幅型マスタ・スレーブシステムのスケーリング則を研究する。本研究の成果は、原子力・海底・宇宙等の極限環境でのロボット遠隔操作、ヒューマノイドロボットへの作業教示、医療分野での遠隔触診など、幅広い応用へ展開できる。 平成28年度は,①従来のスケーリング則の適用,②力・モーメントを考慮したスケーリング則について研究を進めた.①では、コンスタントスケーリングを前年度構築した3次元の力覚提示が可能なマスタ・スレーブシステムへ適用している.②では,人間よりも高い指先力を有する高出力な人間型ロボットハンドをスレーブに用いてパワー増幅型マスタ・スレーブシステムを対象として物体の回転操作を対象としたスケーリング則を研究している.また,海外との遠隔操作実験の準備のため,通信遅延に対応してロボットハンドの状態を確認できる遠隔操作システムも構築している.これらの結果に基づき,平成29度は海外との遠隔操作実験を目標とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の目標と設定した従来のスケーリング則を3次元の力覚提示を伴うマスタ・スレーブシステムに適用した。また、力・モーメントを考慮したスケーリング則の研究している.ロボットハンドに問題があり,一部の研究に遅れているが研究課題の大半は計画通り進めている.
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今後の研究の推進方策 |
前年度に得られた結果に基づき、平成29年度は提案した力・モーメントを考慮したスケーリング則によりシミュレーションシステムおよび実機にて主観的および客観的に評価する。また,作業意図の解析して内容に応じてスケーリングを切り替える手法を研究する.さらに,海外との遠隔操作実験を実施する.
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