• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

装着型歩行補助ロボットとユーザの協調学習システム

研究課題

研究課題/領域番号 15K05894
研究機関名古屋大学

研究代表者

香川 高弘  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30445457)

研究分担者 宇野 洋二  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10203572)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード装着型ロボット / 学習制御
研究実績の概要

本年度は,歩行補助ロボットの学習制御アルゴリズムの開発と予備的な動作試験を行った.本研究課題における学習制御の技術的な課題はユーザー動作のばらつきに対して評価関数が減少するように軌道を修正する方法を確立することである.本年度では逐次最小二乗法をベースとした評価関数のヤコビアンを推定する方法を開発した.また,つま先が床面と接しないことや関節可動域を超えないことなどの不等式制約を満たすように評価関数のヤコビアンを修正する方法を検討した.評価関数の修正ヤコビアンに対して広義ニュートン法による繰り返し計算によって軌道を修正する.開発した学習アルゴリズムに対して計算機シミュレーションおよび,予備的な実機実験によってその有効性を検証した.
計算機シミュレーションでは,評価関数にばらつきがあっても誤差が減少する方向に軌道が修正されることを確かめた.次に予備的な実機試験として,ロボットの直流モータの電流を評価関数として,人が装着していない状態で動作した時のロボットの軌道を学習する実験を行った.その結果,関節角速度最小の軌道と比較して消費電力が12%減少することができた.さらに,健常者がロボットを装着して歩行する条件で,腕にかかる力を評価関数として学習制御の実機試験を行った.実験の結果,開発した学習制御システムによって腕の負荷が減少することが示せた.しかし,学習に時間がかかるため学習が収束する前にユーザの負担を増大することが問題点としてわかった.このことから,最適な歩行軌道を獲得するためには学習の収束速度を改善する必要があると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画当初から想定された技術的課題である「ばらつきのある人間の動作を考慮した軌道学習法」を開発して,実機の制御ソフトウェアの実装まで完了できたことからおおむね順調に進展していると考えられる.

今後の研究の推進方策

開発した学習制御アルゴリズムの問題点は学習に時間がかかることである.より少ない試行回数で評価関数を減少するように推定手法や設定パラメータについて分析する必要がある.学習の効率化を進めて,動作試験によりその有効性を検証する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] フィードバックトルクを用いた冗長関節アームの協調動作生成2017

    • 著者名/発表者名
      木場亮太,香川高弘,宇野洋二
    • 学会等名
      電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会
    • 発表場所
      機械振興会館
    • 年月日
      2017-03-14
  • [学会発表] 多関節アームの繰り返し制御における仮想軌道の調整2017

    • 著者名/発表者名
      大島悠輔,香川高弘,宇野洋二
    • 学会等名
      電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会
    • 発表場所
      機械振興会館
    • 年月日
      2017-03-14
  • [学会発表] 単振子と倒立振子に基づく歩行バランスに関する検討2017

    • 著者名/発表者名
      香川高弘,宇野洋二
    • 学会等名
      電子情報通信学会MEとバイオサイバネティクス研究会
    • 発表場所
      機械振興会館
    • 年月日
      2017-03-13
  • [学会発表] 歩行補助ロボットの軌道計画に対する学習制御2016

    • 著者名/発表者名
      高橋史哉,香川高弘,宇野洋二
    • 学会等名
      第17回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2016-12-16

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi