研究課題/領域番号 |
15K05919
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小林 義和 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50331971)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 機能的電気刺激 / 自転車 / ペダルセンサ / リハビリテーション / 力センサ / 関節モーメント / 3次元解析 |
研究実績の概要 |
本研究は、機能的電気刺激(FES)を使用した障害者用車いす取り付け型自転車の開発を目的としており、特にサイクリング運動をしやすい乗車ポジションの評価を行っている。平成28年度は、ペダル位置(高さなど)が異なった3種類の車いす取り付け型FESサイクリングについて、健常被験者を対象に、随意サイクリング運動(FES刺激のない場合のサイクリング運動)とFES刺激サイクリング運動について乗車ポジション評価を行った。使用した車いす取り付け型FESサイクリングは(1)リカンベント型(2)4輪型(3)アップライト型 の3種類であるが、(1)のリカンベント型が最もペダル高さが大きく(地面から離れていて)(3)のアップライト型のペダル高さが最も地面に近く低くなっている。(2)の4輪型のペダル高さは、車いすの座面とほぼ同じ高さで、3種類のうち中程度の高さとなっている。実験では、乗車ポジションを変更したときの下肢関節モーメント(股関節モーメント、膝関節モーメント、足関節モーメント)を調査した。実験の結果、随意運動、FES運動いずれの場合も(1)リカンベント型と(2)4輪型ではペダルを踏み込む動作モードでペダリングをしており、一方(3)アップライト型ではペダルを引き上げる動作モードでぺダリングしていることが分かった。特に(3)のアップライト型が最も下肢関節に負担をかけないでサイクリング運動をできる乗車ポジションであることがわかった。以上の内容について論文にまとめ、論文投稿をしているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年に論文投稿をする予定であったが、28年度のうちに、これまでの内容について論文にまとめ投稿中である。また、本研究に関連する内容についての論文が受理されていて、順調に研究が推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初29年度は障がい者を対象にした実証実験とこれまでの内容についての論文投稿の2つを予定していた。しかしながら現在までの研究を広く国際的に発表することと、現在他の研究グループで行われている関連研究の調査をする必要がでてきたため、平成29年7月にイギリス(ロンドン)で行われるIFESS2017で本研究の一部を講演発表することとした。平成29年度はこれに加え、障がい者を対象にした実証実験(予備実験)と論文投稿の以上3つを計画している。さらに現在、筋肉の動作タイミングや、筋力の大きさなどの評価のため、筋電値の調査もあわせて実施しており、今後さらに研究が発展していくことが予想される。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度7月に国際学会(IFESS2017・イギリス・ロンドン)を計画しておりその渡航費用と、論文の英文校正費用、論文投稿費用が必要と考えましたので、適正に使用していると考えます。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度から29年度へ生じた次年度使用額については、特に、英文校正費用、論文投稿費用に充てる予定です。
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