研究課題/領域番号 |
15K05929
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
船渡 寛人 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60272217)
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研究分担者 |
春名 順之介 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40609369)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マイクログリッド / 直流給電 / 負荷遮断 / 高昇圧比 / スイッチトインダクタ |
研究実績の概要 |
研究計画に記載の通り、基本的な系統連系用変換器と蓄電用変換器について方式の検討と設計を行った。以下、各部について説明する。 (1)太陽光発電部 太陽光発電用直流連系装置としては、スイッチトインダクタ昇圧チョッパの検討を行った。直流連系部の電圧を380V程度と設定して、30V程度の電圧の太陽電池の出力を380V程度まで昇圧して用いることを想定してスイッチトインダクタ昇圧チョッパを設計した。また、太陽電池の最大電力点追従制御については、モデル予測制御を適用してスイッチトインダクタ昇圧チョッパのデューティ比決定を行った。実験を行った結果、30V入力時において、最大電圧558Vまで昇圧可能(昇圧比18)であり、150W出力時の効率は80%となった。通常の昇圧チョッパでは昇圧比が5倍程度までしか同様な効率下では運転することができなかった。 (2)制御装置 制御装置については各変換器を統合して一台の制御装置で制御することを検討した。研究計画に記載の通り、マイウエイプラス社のパワーエレクトロニクス用ディジタル制御装置PE-ExpertIVを選定して発注を行い、納品された。 (3)系統連系部 系統連系部については、ディジタルヒステリシス制御をベースにするとしたが、新しく5スイッチインバータを考案して検討している。両者の比較を進めていく。 (4)連系droop制御 負荷遮断を含めたdroop制御について、シミュレーションをベースに検討を進めている。現時点では遮断閾値の検討を進めており、次年度に成果を出したい。 (5)最大発電点追従制部 太陽光発電部でも述べたとおり、モデル予測制御を用いた最大発電点追従制御を検討している、他の方法(山登り法、増分コンダクタンス法)との比較も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、実験に向けた設計と製作準備が大きな課題であった。制御装置の選定・購入が完了しており、順調に進展している。実験装置については、昨年度から製作している実験装置による実験が進んでおり成果が出ている。研究計画に記載した新しいスイッチトインダクタ昇圧チョッパについては、シミュレーションによる動作解析と、理論検討による効率計算が進んでおり、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
概ね計画通りに進展する予定である。今年度は、蓄電装置の製作とdroop制御の実装が最も大きな課題となる。負荷については、負荷遮断の実装に向けて遮断閾値の適切な決定方法を検討する。系統連系部分については、引き続きディジタルヒステリシスと5スイッチインバータを中心に両者の得失を検討する。今年度中には、直流の基本部分が動作可能となる予定である。 成果の発表としては、夏にECCE-Europで昨年度の成果を発表して、秋から冬にかけての電気学会研究会または電気学会全国大会で今年度の成果の速報を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ディジタル制御装置が想定よりも安価で購入できたので実使用額との差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の実験装置製作用電子部品および成果発表旅費に使用する予定である。
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