研究課題/領域番号 |
15K05936
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河瀬 順洋 岐阜大学, 工学部, 教授 (20144735)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 三次元並列有限要素法 / 並列電磁界解析 / 並列熱伝導解析 / 定常解析 / 過渡解析 / 材料の温度特性 / スカラーポテンシャル |
研究実績の概要 |
初年度にあたる平成27年度では,数多くの電気機器に対して電磁界の三次元並列電磁界解析を行い,発熱源となる電気機器の電気的損失の計算精度の向上に注力しており,より線をはじめ,巻鉄心リアクトル,三相三脚変圧器,かご形誘導電動機,埋込磁石構造同期電動機の定常解析を行い,損失の解析精度について検討した。 磁界解析プログラムは,磁気ベクトルポテンシャルAと電気スカラポテンシャルφを未知数とした,いわゆるA-φ法を用いて定式化しているが,熱伝導解析プログラムは,スカラー量である温度Tを未知数として解くため,前述のA-φ法のφのみを用い,φとTを読み替えるだけでプログラムの移行が可能となる。 また,発熱源は方程式の右辺ベクトルへの入力となるが磁界解析の電流源を発熱源とすればよいので,基礎的な考え方およびプログラムの方針は完成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電磁界解析で得られた発熱を熱伝導解析の入力として計算した結果,部分的に高温になる箇所が生じ,そのため,電磁界解析で用いた材料特性の温度の設定値が異なってくるため,再度,熱伝導解析によって得られた結果を用いて電磁界解析を行い,これらを定常状態になるまで繰り返す必要がある。この磁界と熱伝導を融合させるための計算が容易でなく,さらなる工夫が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
すでに開発済みの電磁界解析プログラムの融合のために一つの工夫として,熱伝導解析と電磁界解析を別々の並列計算システムで行い,得られた結果を互いに通信でデータの共有をはかり,定常状態が得られるまで,反復させる方法が考えられる。 この場合,いわゆる定常状態を得るために,計算上の過渡解析が必要になるが,この過渡解析におけるステップ数を少なくするためにTP-EEC法等の手法を応用して,高速化をはかる。これらの融合を高速に行うために,様々な検討する予定である。
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