研究課題/領域番号 |
15K05945
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
辻 峰男 長崎大学, 工学研究科, 教授 (80145218)
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研究分担者 |
浜崎 真一 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (80363472)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ベクトル制御 / 交流電動機 / センサレス制御 |
研究実績の概要 |
本研究は,誘導電動機の速度を検出するためのエンコーダを省いたエンコーダレス制御について,各種の運転領域で安定に動作し,トルクの瞬時制御が可能な高性能特性をできる限り簡単なアルゴリズムで実現する制御法を開発し,安定解析,シミュレーション解析および実験により検証することを目的としている。また,同期電動機のエンコーダレス制御についても,誘導電動機のエンコーダレス制御と統一的な手法で高性能特性を簡単に実現する制御法を開発し,安定解析,シミュレーション解析および実験により検証する。さらに,2レベルインバータだけでなく3レベルインバータによる実機試験も計画している。 本年度は,誘導電動機のエンコーダレスベクトル制御法の開発に関し,d軸電圧を利用した大変簡単な方式を考案した。さらに考案した方式の線形モデルによる安定解析とシミュレーション解析を行い,安定性を調査した。この結果,力行および回生領域で安定となることが判明し,2レベルインバータ駆動の実験により検証した。この結果は,2016年6月開催の国際会議SPEEDAMで発表予定である。 3レベルインバータに関しては,ゲート回路と電流検出回路を製作し,ディジタルシグナルプロセッサー(DSP)とFPGAボードのPWM制御プログラムの基礎試験を行った。 同期電動機のエンコーダレスベクトル制御法においても誘導機の制御法と統一的な考え方を導入して,構成の簡単な方式を考案した。考案した方式の線形モデルによる安定解析とシミュレーション解析を行い,安定性を確認した。得られた成果は国際会議で発表するため投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように多くの点で当初の計画通り順調に進展している。ただ考案した方式は誘導機の逆相制動運転では十分な安定性が得られていないので更に改良の余地がある。
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今後の研究の推進方策 |
誘導電動機のエンコーダレス制御に関しては,提案方式の改良を行いながら,3レベルインバータ駆動による実験を進めて行きたい。 同期電動機のエンコーダレス制御については,実験を行って性能を十分チェックしていきたい。 得られた成果は,国際会議などで発表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
少額であり,次年度使用額が生じた特別な理由はない。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に繰り越して消耗品の購入に使用したい。
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