本研究は超伝導バルク磁石の実用化を目指して,特に取り扱い易さや経済性を考慮してスターリング冷凍機を用いた卓上型磁石装置を開発した。φ45 mmのGdBCOバルク体を最低到達温度である51 Kに冷却して単一パルス磁場を印加した時,最大で2.8 Tの磁場捕捉に成功した。次に,総磁束量の増大を目的として,φ60 mmの試料を取り付けられるように磁極を改造し,着磁試験を行った。その結果,到達温度は55 Kと高くなってしまったが,最大捕捉磁場は3.0 Tを記録し,総磁束量も約2倍となることを確認した。これらから,比較的冷却能力が低いスターリング冷凍機においても,大きな磁場を捕捉できることを明らかにした。
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