マイクロエレクトロニクス化により,放電・静電気が原因で起こる電子機器の故障や誤動作の問題が無視できない大きな問題となる。パソコン等の金属筐体内の電子部品は5 V以下の電圧で故障や誤動作が起こり、人体は歩行動作等で10 kVに帯電する。しかし人体等の帯電した物体の移動と電子機器の金属筐体および筐体内に生じる誘導電圧の関係は明らかにされていない。本研究では帯電した物体が金属筐体から遠ざかるとき,二つの金属筐体および筐体内に生じる誘導電圧を明らかにした。本研究成果は,予見可能な電子機器の故障や誤動作を防止できる信頼性の高い電子機器の設計に役立つだけでなく,電子機器の試験法として役立つと思われる。
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