研究課題/領域番号 |
15K05967
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研究機関 | 旭川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
井口 傑 旭川工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (70353224)
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研究分担者 |
三島 裕樹 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 教授 (50312773)
三栗 祐己 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (20710859) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 電力貯蔵装置 / 最適化 / ピークカット運用 / 太陽光発電 / キャンパスデマンド |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,(1)学校キャンパスを対象として時間割,学校行事等の社会的なイベントにはない,学校特有のキャンパスデマンドを詳細に測定し,測定された実データを用いてキャンパスデマンド予測手法を開発すること,(2)太陽光発電システム+Li-ionバッテリー電力貯蔵装置を活用したキャンパスデマンドに対応したピークカット運用計画決定法を開発することである. (1)について,函館高専および旭川高専に電力計ロガーを設置し,教育・研究施設および学生寮を含む特徴的なキャンパスデマンドの測定を継続している。さらに,得られたデータからキャンパスデマンド予測手法の開発を進めている。従来のモデルは,30分間のデマンドを予測するが,精度が向上しないことが分かった。改善策として,学校特有の時間帯に注目し,授業等時間と休み時間に分けて予測モデルを構築した結果,予測精度を改善することができた。 (2)について,函館高専に設置してあるLi-ionバッテリー電力貯蔵装置の充放電特性の解析,電力貯蔵装置を用いたピークカット運用計画決定手法の開発を進めている。大規模な電力貯蔵装置の導入コストとピークカット運用等によるコスト削減を比較した場合,現在の電力貯蔵装置の導入コストが支配的となることが分かった。今後,災害時等のバックアップ運用等の付加価値を追加した運用計画決定手法が必要である。 (1)について,電気・情報関係学会北海道支部連合大会で1件,卒業研究×1件,特別研究×1件で成果を報告している。 (2)について,電気学会電力・エネルギー部門大会で1件で成果を報告している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テーマ(1)について,2高専の測定について,継続的にキャンパスデマンドを収集している。また,それに基づくキャンパスデマンドの予測について,各高専の特長を考慮して数量化Ⅰ類を用いた予測システムの開発を行っている。概ね予測可能であるが,一部誤差が大きくなる時間帯があったため,学校特有の時間配分を考慮して,予測精度を改善することができた。しかし,昼間・夜間の予測精度が異なることから,各時間帯に分けてモデルを構築する予定である。 テーマ(2)について,Li-ionバッテリー電力貯蔵装置の充放電特性の解析,電力貯蔵装置を用いたピークカット運用計画決定手法の開発は,キャンパスデマンドの予測が前提条件であり,やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
テーマ(1)について,より詳細な複数地点のキャンパスデマンド測定点において,キャンパスデマンドを測定する。学校特有に時間帯を考慮した予測モデルの構築し,予測精度の向上を図る。 テーマ(2)について,予想されるキャンパスデマンドおよび太陽光発電出力を考慮し,キャンパスデマンドの電気料金を削減するため,新たな課金システム(報奨金,時間帯別料金等)を模擬し,太陽光発電等の不確定出力を考慮したピークカット運用等を用いた運用計画決定手法を開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた測定地点の許容電流の大きさに適した電流クランプ購入を予定していたが,測定地点の見直し及び変成器に使用から従来の電流クランプで測定できるため,購入計画に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は,3年目となる電流クランプの経年劣化等を考慮して,新たな電流クランプの購入を予定している。
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