研究課題
現在、高効率な永久磁石同期モータの需要が増加しているが、永久磁石の原料として不可欠なレアアースは、依然、埋蔵量が少なく、産出国も限られており、供給リスクが非常に高く、磁石の供給不安や高価格という深刻な問題を抱えている。このため、永久磁石を全く用いない同期リラクタンスモータを普及させることが、今後も安定して、エネルギー効率の向上を図るうえで急務である。しかし、このモータは磁石を用いないため、出力が永久磁石同期モータに及ばない。モータの出力を向上させる一手法として、同期モータをサーボモータとして用いるのに不可欠な大きなスペースを要する回転子位置センサを取り除く位置センサレス制御を行い、この位置センサの分、大きな体格で高出力なモータを採用することがあげられる。色々な手法の位置センサレス制御法が提案されているが、低速時は困難であり実用的ではない。研究代表者は、高周波電流をモータに注入することによって、極低速時の制御に成功したが、一時的な停止や逆転が発生していた。本研究の目的は、さらなる実用化に向けて、新しい制御システムを採用し、極低速域においても、一時的な停止や逆転が伴わない位置センサレス制御を実現することである。平成30年度は、前年度までに、コンピュータシミュレーションと実機実験によって、解析し、改良を加え、確立した、低速時における同期リラクタンスモータの位置センサレス制御システムを用いて、平成29年度に成功していた定常負荷状態だけでなく、過渡的な負荷状態においても、一時的な停止や逆転がほぼ発生しなくなることを確認し、この制御システムの有効性を確認した。今年度までの研究成果は、国際会議,電気学会全国大会,電気学会産業応用部門大会などで発表を行い、自らのHPやResearch mapで業績を公開した。
冨田 睦雄,田中 俊彦:「学会情報 国際会議レポート(The 2nd IEEE Southern Power Electronics Conference (SPEC 2016), December 5-8, 2016, Auckland, New Zealand)」 電気学会産業応用部門ニュースレター2017年5月号, pp.13, (2017.05)
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