半導体コロイダルナノドット(CND)は溶媒分散性が高く低コストな溶液プロセスで半導体薄膜素子を作製できる可能性がある。しかし、一般に配位子の絶縁性が高く、そのままでは電子素子に使うことは難しい。そこで、導電性を向上させて薄膜トランジスタ(TFT)に応用する研究を行った。まず、電荷が流れやすい分子に配位子を交換する試みを行ったが、新規配位子の分散安定性が悪く期待した成果は得られなかった。次に、硫化アンモニウム処理により配位子を除去したCND薄膜を用いてTFTを作製した。初めはキャリア移動度が非常に低かったが、作製条件を改善することにより2桁向上し、0.0011cm2/Vsに達した。
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