研究課題/領域番号 |
15K05995
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
藤川 紗千恵 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (90550327)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | InSbN / LED / 遠赤外 |
研究実績の概要 |
InSbN 結晶を用いることで、他の希薄窒化物半導体材料の傾向からInSbの帯域を超える5~15μm での発光が可能であると考えられる。本研究では、詳細な報告例の少ないInSbN結晶の物性構造の解明と中赤外‐遠赤外線光デバイスを開発することを目的とする。 今年度は、デバイス構造に用いる①GaAs基上GaSb緩衝層の平坦化とInSb膜の高品質化、②n型層のTeドーピング濃度の調査、③第一原理計算による物性解明、等を試みた。結果、①GaAs基板のオフ角に注目し、0・2・4°上にGaSb緩衝層の成長を行い、2°off基板を用いることでGaSb膜の螺旋転位低減に成功した。また、その上にInSbの成長も行い、2°off基板は有用であることを明らかにした。②Teドーピング量(Teセル温度)と成長基板温度の依存性を行い、Al0.4In0.6Sb膜においてTeセル温度485 ℃でキャリア濃度 が最も高くなった。また、キャリア濃度は10^17乗台が限界であることが明らかとなった。③今年度も引き続き計算を行う。InSbN結晶成長の準備においては、各種装置部品を整備しているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デバイス構造作製の初期段階までには至っているが、MBE装置の故障が相次ぎ窒素ラジカルセルの動作まで至らなかった。また、第一原理計算においては、まだ計算途中のため引き続き研究を進める。
|
今後の研究の推進方策 |
MBE装置による結晶成長に加え、MOCVD装置を用いた結晶成長も平行して、InSbN結晶の作製を行い研究を遂行していく。第一原理計算による物性解明も引き続き遂行する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品(消耗品)を購入しようとしたが、ちょうど残高0円で使い切るのは難しく、他の予算と合算も不可とのことで、やむおえず今回は他の予算で購入し、次年度繰り越しすることにした。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度繰り越し分は、成長基板のn型GaAs基板(物品(消耗品))に使用予定である。
|