鉄シリサイド半導体の近赤外発光特性を向上させる研究を行った。鉄シリサイド半導体単結晶を大気中でアニールした結果,近赤外波長領域にいくつかの鋭い発光とブロードな発光を観測することに成功した。これらの発光のメカニズムは現在検討中である。 一方,オスミウムシリサイドとの混晶化を狙ったが上手く行かず,FeSi2とOsSi2の混合物となった。この試料のPL測定を行ったところ,100K以下の低温において1.5μm付近にピークをもつ極めてブロードなPL発光を観測した。この発光の強度は比較的強く,OsとFeの組成比によって多少ピーク値が変動する傾向を示しており,Osを添加したことに起因していると考えている。
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