研究課題
ポリアクリロニトリルなどを含んだ溶液から電界紡糸で作成したミクロ孔(2nm以下)を有するナノファイバーを加圧しながら通電加熱するなどして、ナノファイバー間の空間を制御して、メソ孔(2~50nm)を有する炭素材料を作成し、ミクロ孔とメソ孔がつながった多次元構造の機能性多孔質炭素材料を作成した。また、超高容量LIB電極材料として用いるために、シリコン(Si)微粒子を混合して紡糸した。Siコンポジットナノファイバーを炭素化した後、LIB電極を作成して充放電実験を行い、その性能を調べた。溶液を10wt% [PAN+TEOS(7:3)+1wt%Si]/DMF の割合で調製し、この溶液を元にナノファイバーを作製した。Si 粒子を含んだTEOSカーボンおよびTEOSとSiハイブリット材料の作製に成功した。TEOS を添加物として用いたため,ナノファイバーにはSiC,SiO2もしくはSiOC が一様に含まれていると考えられる。作成したカーボンナノファイバーを用いてリチウム(Li)イオン電池の負極容量の測定をした結果、グラファイトにLiを挿入した場合の理論容量(372[mAh/g])の2倍程度の充放電容量を第2サイクル以降で実現した。充放電特性から第1 サイクルでは容量が減少するという現象が見られた。これは、Siが活性化する前の状態であったことが理由として考えられる。第2 サイクルでは、充電容量778[mAh/g],放電容量670[mAh/g]が得られた。これらの実験結果より、高容量を実現する新ハイブリット材料の作製が作成できた。XRD 分析の結果、本サンプルの炭素六画網面の間隔d002は0.356[nm]と求められた。また、ラマン分光分析の結果、R 値(ID/IG)は1.09 と計算された。これらのことから,本実験で作製したサンプルは,難黒鉛化性炭素であることが示された。
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C Journal of Carbon Research
巻: 4(2) ページ: 1-6
10.3390/c4020023
炭素
巻: 2017 ページ: 91-102
https://doi.org/10.7209/tanso.2017.91