研究課題
本研究は,高精度な数値シミュレーション技術を適用した体内植込み型医療機器の電磁干渉影響測定装置の設計,および外部プログラムにより受信特性の変更が可能な擬似ペースメーカを内蔵した測定装置の開発,および開発した測定装置を用いた実証実験に取り組むものである.最終年度である平成29年度は,これまでの検討結果を発展させ,主に以下の項目について研究を実施した.1)数値シミュレーション技術を用いたペースメーカ植込み擬似人体による電磁干渉影響評価装置の開発」2)擬似ペースメーカ(電磁干渉影響評価のための干渉信号測定装置)の検討3)RF帯干渉特性の検討と開発技術の実証上記,項目1)について,外部から放射される電波に起因して,植込み型医療器の受信フィルタ通過後に内部回路で検波され生じる低周波雑音を評価することで,医療器の動作不具合の発生を高精度に推定可能であることを実証した.前年度までの検討において開発したFDTD法あるいは有限要素法に基づく数値解析を基とする評価ツールを用いて,ペースメーカ内部回路に生じる干渉誘起電圧を評価した.また,項目2)および項目3)について,小型センサ―による疑似ペースメーカによる干渉評価系構築し,実人体に植え込まれている状況を高精度に再現した条件でのEMI評価の実現,および同測定系を用いてEMI周波数特性を明らかにした.HF帯からRF帯までの広い周波数範囲において,小型センサーにより取得された干渉信号は,ペースメーカ本体とリードの両方の影響を含む電磁界特性を取得可能とし,これら特性の定量的評価は国内外においても例がなく,今後の干渉低減技術の検討などへの寄与が期待できる.以上の検討結果に基づき,体内植込み型医療器EMI評価手法に関して,残る今後の課題等を明らかにした.
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