マイクロ波電力増幅器は、第5世代無線通信システムに向けて電力効率など性能要求が厳しさを増している。本研究課題では、右手左手系複合(CRLH)線路スタブを用いて高効率F級増幅器を実現するための新しい高調波処理回路を提案し、様々な形態の実証回路の試作を通してその高い性能と実用性を実証した。代表例として、次世代半導体の窒化ガリウム(GaN)FETを用いた増幅器に適用した結果、2GHz帯の5W級F級増幅器にて従来より大幅に小型化した高調波処理回路を用いて88%という高いドレイン効率を実現した。本手法は、F級増幅器のみならず次世代システムに求められる高度なマイクロ波回路に広く応用できる。
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