研究課題
シリコン基板上にIII-V族半導体量子ドットレーザとシリコンフォトニクス回路を集積した光集積回路を実現することを目的とした研究である。具体的には変調器、波長スイッチ等のシリコンフォトニクス回路を含むシリコン基板にInP薄膜を直接貼付し、そしてこの基板上に有機金属気相成長法によりIII-V族量子ドット半導体を結晶成長してレーザを作製し、シリコンフォトニクス回路-量子ドットデバイスの光集積回路を試作、研究する。前年度の研究において、シリコン基板上にInP薄膜を直接貼付した基板上に有機金属気相成長法により波長1.5μm GaInAsPバルクレーザ構造を成長し、室温発振を達成した。そして、InP/Si基板上半導体レーザにおいてInP基板上半導体レーザと同等のしきい値電流密度を達成した。この研究成果を基に、本年度は以下の研究成果を達成した。しきい値電流密度がInP基板上と同等であることを実証したので、しきい値電流の絶対値を下げるためにストライプ電極構造、リッジ導波路構造、ハイメサ導波路構造のレーザを試作した。ストライプ電極幅、導波路幅は10μm~20μmの構造であり、すべての構造において室温パルス発振を得ることに成功した。ストライプ電極構造ではInP基板上レーザとInP/Si基板上レーザのしきい値は同等であったが、リッジ導波路、ストライプ導波路、ハイメサ構造では150mA程度のしきい値電流を得たが、InP基板上レーザと比較するとまだ高い状況であり、この原因を検討した。またInP/Si基板上に成長した量子ドット構造において室温でLED発光を確認し、さらに成長条件、層構造の改良を行っており、レーザ発振を目指している。また光源と変調器、波長スイッチとの集積化を目指した研究に着手し、その接続構造について一定の成果を得た。
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