| 研究課題/領域番号 |
15K06035
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| 研究機関 | 法政大学 |
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研究代表者 |
柴山 純 法政大学, 理工学部, 教授 (40318605)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | FDTD法 / テラヘルツ波 / 周波数分割器 / LOD-FDTD法 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的の一つ目は、陰的・半陰的手法を導入した効率の良い円筒座標系FDTD法を確立することである。さらに、目的の二つ目として、確立した円筒座標系FDTD法を用いて、簡素な構造の金属円盤型THz表面波分割器を提案・設計することである。
本年度は、初年度に完成した陰的円筒座標系LOD-FDTD法の成果を、IEEE Photonics Technology Lettersに投稿し採録された（現在印刷中）。その際、新たにFundamental法を適用し、計算式の右辺に微分項が生じない簡素な定式化を行った。なお、この成果を国際会議IEEE International Conference on Computational Electromagneticsにて発表したところ、IEEE Ulrich L. Rohde Innovative Conference Paper Award on Computational Techniques in Electromagneticsを受賞した。
前年度、計算の不安定さが明らかになった半陰的円筒座標系FDTD法については再度定式化を行った。吸収境界条件を半陰解法の計算手順に矛盾しないように実行し不安定さを除去した。この成果は電子情報通信学会総合大会（29年3月）で発表し、現在国外の速報誌に投稿すべく論文を執筆中である。
金属円盤型THz表面波分割器については、入力部にテーパ付き金属ロッドを導入し、反射波を1THzで77%から10%に、1.5THzで23%から18%に低減できた。また、カバーディスクを導入し、左右のグレーティングに結合するパワーの大幅な上昇を確認した。現在、構造の最適化を行っている。
さらに、金属円盤型THz表面波分割器をマイクロ波領域で試作するため構造の見直しを行い、実験の準備も進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
陰的円筒座標系LOD-FDTD法の成果をIEEEの速報誌に公表できた。また、前年度に完成できなかった、半陰的円筒座標系FDTD法を、吸収境界条件の適用も含めて確立できた。
金属円盤型THz表面波分割器については、入力部にテーパ付き金属ロッドを導入し反射波の低減に成功した。さらに、カバーディスクも導入し、左右のグレーティングへの結合パワー上昇の目途を得た。マイクロ波帯での実験の準備も始めた。
以上により、本研究はおおむね順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
29年度は以下のように研究を進める。
1. 半陰的円筒座標系FDTD法の計算効率を評価する。誘電体モデル、完全導体モデルを取り上げ、どの程度計算時間の短縮が可能か、従来の陽的FDTD法、陰的LOD-FDTD法と比較しながら議論する。2. 実験値と比較するため金属円盤型THz表面波分割器の放射パターンを評価する。その際、開発した陰的・半陰的円筒座標系FDTD法を用いて、効率よい計算を行う。3. 金属円盤型THz表面波分割器の試作を行う。4. 電波暗室を用いて放射パターンを測定する。周波数分割の振る舞いを実証する。5. 研究成果を国内外の学会で発表する。6. 研究成果を論文としてまとめる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
旅費として支出予定であったが残額が若干不足していた。そこで、翌年度の旅費と合算して支出することにした。その際の残金である。
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| 次年度使用額の使用計画 |
4月早々に旅費として使用する。
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