研究課題/領域番号 |
15K06040
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
藤田 輝雄 福井工業大学, 工学部, 教授 (50387396)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 光ディスク内ホログラムの深さ方向位置制御 / 遠領域回折光を利用した焦点誤差検出装置 / ホログラムディスクの装置間可換性向上 |
研究実績の概要 |
1) 一昨年度まで使用していた Cosmo Techno製 SPレコード用ダイレクト・ドライブ・ターンテーブル のジッタ問題(ジッタが大きいため、ディスク全周にて安定した焦点誤差信号を取得できない)を解決するため、Technics製 SPレコード用ターンテーブルへの交換、および、ターンテーブルからの同期信号周波数に合わせサンプリングパルス生成回路(PLL)の逓倍率の変更を行った。 その結果、ジッタが大幅に低減できることをロジックアナライザで確認するとともに、ディスク全周において安定に焦点誤差信号を生成できることを観測した。次の段階として、サーボアンプの設計を開始し、アクチュエータに合わせた、周波数vs位相・ゲイン特性を決定した。 2) 一昨年度、光検知器がディスク反射光干渉領域内にあれば、焦点誤差信号にオフセットが発生しなかったと報告したが、我々の光学系(Cosmo Techno製モータ使用、反射ビーム直径4mm)で 光検知器の移動量を3倍(±100umから±300um)にした場合、最大約1.5um(焦点深度程度)のオフセットが観測された。この原因は、光学系の残存収差にあると考えている。 3)焦点誤差信号に現れるオフセットと光学系収差の関係を実験的に明らかにするために、ピエゾアクチュエータ(10nm分解能)、精密電動微動台(100nm分解能)を組み合わせ、機器制御・データ収集用ソフトLabVIEWにて制御する静的オフセット評価システムの構築を大学院生(修士1年)と開始した。 4)2ビーム光学系用精密ターンテーブル(日機電装製、D250-40-FP)を入手し、動作確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)サーボ回路の設計、作製、動作評価の遅れ: 2016年1月に、本研究以前に準備していた光学系、光ディスク用ターンテーブルを用い、焦点誤差信号が回転ディスクから生成できることを確認したが、このターンテーブルの回転ジッタが大きいため、ディスク全周にて安定に焦点誤差信号が得られないことがわかった。そのため、このターンテーブルをTechnics製レコードプレーヤ(SL1200)から取りだしたターンテーブルに交換し.新たにPLL回路を再設計し、組み立てるのに、時間を要した。 2)研究発表: 昨年夏以降 招待講演2回(国外、国内1回ずつ)、また、国内学会に1回発表したため、研究にかけれる時間が少なかった。
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今後の研究の推進方策 |
1)回転ディスクを使ったサーボ特性評価: technics製ターンテーブル、および、これに合わせ設計・作製したサンプルパルス発生用PLL回路を用い、焦点制御動作を行うとともに、追従特性などの評価を行う。 2)収差依存性の評価: LabVIEW で制御する評価システムを完成させ、本焦点誤差検出法のオフセットが光学系の残存収差にどのように依存するかを実験的に検証する。また、シュミレーション結果との比較を行う。 3)特殊2層ディスクの発注、2ビーム光学系の設計、作製: 構造についてアイデア出しを完了した2層ディスクの詳細仕様を決定し、メーカーと打ち合わ発注する。また、2ビーム光学系およびその制御システムの設計を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2ビーム用2層光ディスク(DVD2層ディスク構造)の発注ができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
2ビーム用2層光ディスクの試作には 原盤から作成する必要があるので、その費用は200万円弱と考えている。2018年度前半には仕様決定、発注を行う。
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