| 研究課題/領域番号 |
15K06059
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| 研究機関 | 名古屋工業大学 |
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研究代表者 |
岩波 保則 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40144191)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | マルチユーザMIMO / ブッロク対角化 / 固有モード伝送 / ヌリティー / ダイバーシチ次数 / 再生リレー |
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| 研究実績の概要 |
近年，複数ユーザ端末と空間多重MIMO通信が可能なマルチユーザMIMO（MU-MIMO）技術が盛んに検討されている．下り回線のMU-MIMO通信では，送受信機間の通信路情報（CSI: Channel State Information）を送信機と受信機で共有し，ユーザ端末ではユーザ間干渉(IUI; Inter User Interference)無く受信できる．基地局のアンテナ数を増やすことによって，通信路品質を向上させることが出来，下り回線の通信路容量を増加できる．MU-MIMO方式には，線形方式と非線形方式があるが，線形方式の方が構成や設定が容易と考えられる．本研究では，BD(Block Diagonalization)＋固有モード(Eigen mode)伝送を用いる線形プリコーディングMU-MIMO方式において，ユーザのブロック行列のサイズが（ユーザ受信アンテナ数）×（他ユーザ行列のnullity（退化次数））になることを考慮し，ユーザのダイバーシチオーダー（通信路品質）を元にしたBD+固有モード伝送MU-MIMO方式の設計法を開発した．具体例に対し計算機シミュレーションを行い，ユーザ通信品質を元にした設計法の有効性をを評価した．
また，BD (Block Diagonalization)＋固有モード(Eigen mode)伝送を用いる線形プリコーディング下り回線MU-MIMO方式において，基地局と各ユーザ端末の間に再生リレー(Regenerative relay or Detect & Forward (DF) relay)を用いることにより，カバーレッジの拡大と通信品質の改善を図る研究を行った．再生リレーで基地局のブロック対角化行列を知ることで，再生リレーは受信側CSIのみで復調し，第2タイムスロットで各ユーザへ向けてBD+固有モード伝送を行う．この構成の元で再生リレーの有効性を示した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近年，第5世代携帯電話システムや次世代無線LANなどでその活用が注目されているマルチユーザMIMOダウンリンク伝送方式につき，理論検討及び計算機シミュレーションを行い，基地局またはアクセスポイントの送信アンテナ数を十分増やすこと（大規模MIMO方式）により，ユーザ端末や端末機器の受信品質をいくらでも改善できることを理論的に示した．第5世代携帯電話システムや次世代無線LANでは，周波数の高いミリ波の利用が前提となるため，伝搬損失を補償するのに送信アンテナ数を増やし，ビームフォーミングを行う大規模MIMO方式が必須となる．この方式の理論及び計算機シミュレーションによる解明を行えた．
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでの研究では，送信側における誤り訂正符号化が入っていなかったため，今後の研究の推進方向として，LDPC符号などの高性能誤り訂正符号化を用いた大規模MU-MIMOダウンリンク伝送方式の研究を進めたい．
また，位相連続周波数変調(Continuous Phase Modulation)を用いたMIMO伝送方式については，過去に研究があまり行われていなく，研究を進めてどのような用途に適しているかの検討を行いたい．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成２７年度に購入した数値解析用高性能ワークステーションの価格が比較的廉価であったことや旅費の使用が少なかったこなどから，次年度使用額が生じた．
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成２８年度において高性能ワークステーションの購入や計算機シミュレーションソフトウェア－（MARLAB&Simulink）などの購入、旅費や謝金の支出増などが考えられる．
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