研究課題/領域番号 |
15K06062
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 高至 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (30423015)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 情報通信工学 / 全二重通信 / ゲーム理論 / メカニズムデザイン / 確率幾何解析 |
研究実績の概要 |
無線通信の常識を覆す全二重無線機や全二重中継機は,アンテナ設計や干渉キャンセラの技術進歩により徐々に現実味を帯びてきている一方で,電波管理において既存の無線通信と本質的に異なる新たな競合問題を発生させる.これら競合問題を直接的に扱う数学理論であるゲーム理論やメカニズムデザインと呼ばれる経済学で発展してきたフレームワークは他に類を見ないものである.本研究では,制御がループを持たないための性質として知られるシンメトリックインタラクション(対称相互作用)に特に着目し,競合問題の解析と本質的解決手法について検討を行っている. 本年度はまず,全二重無線通信を用いるセルラネットワークにおけるユーザスケジューリング手法について,その解析手法を含めて検討を行った.単一セルを前提とした理論解析を行ったほか,初期検討として半二重通信を想定し,正規化SNR規範のユーザスケジューリングを行う際の面的なSINR(Signal-to-Interference-plus-Noise power Ratio)の分布を確率幾何解析を用いて導出し,累積分布関数が干渉の確率密度関数のラプラス変換の級数の形で表現されることを信かとした. 次に,無線LANにおける端末の再アソシエーション制御に関して,メカニズムデザインを用いた初期検討を行った. TTC(Top Trading Cycles)アルゴリズムと呼ばれる基礎的アルゴリズムがどのように応用出来るか,またその際スループットがどの程度改善されるかを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画になかった,確率幾何解析を用いた解析まで可能としたため,当初の計画以上に進展していると言えます.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,ユーザスケジューリング手法をメインターゲットに検討を進めます.
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