無線通信の常識を覆す全二重無線機や全二重中継機は,電波管理において既存の無線通信と本質的に異なる新たな競合問題を発生させる.これら競合問題を直接的に扱う数学理論であるゲーム理論を用い,制御がループを持たないための性質として知られるシンメトリックインタラクションに特に着目し,全二重通信や無線LANにおける分散的チャネル割当がシンメトリックインタラクション成立条件を満たすことを示し,その意味で本チャネル割当が収束することを証明した. 加えて,正規化SNR規範のユーザスケジューリングや,物理層セキュリティやミリ波といった新たなアプリケーションの特性の解析的な導出に,確率幾何の導入により成功した.
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