複雑な導体構造における電磁現象のモデルとして、伝搬遅延を含む等価回路を提案し、その特性を明らかにした。まず導体球と導体線から成る構造に対して、Maxwell方程式から系統的に伝搬遅延を考慮した回路モデルを導出し、放射の反作用としての減衰を表現した。また、メタ原子の相互結合に対して遅延を考慮することにより、モードの共振周波数と損失の関係を明らかにした。さらに、周期構造に対して分散特性を導出し、ライトライン付近における特異な振舞を明らかにするとともに、その外側においては損失が消滅することを示した。また、単導体線路についても遅延相互作用により放射の反作用としての減衰が表現できることを示した。
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