無線通信では同時に送信する信号数を増やすことで通信速度を高速化できる.実際には演算量の制限から,送信信号数を受信アンテナ数以上にすることは困難であった.本研究成果では,一般化回転行列を導入することで演算量を柔軟に制御することに成功した.実際,最大演算量を従来法に比較して100分の1程度に低減できることを示した.これにより送信信号数を受信アンテナ数の3~4倍に増大できる見込みを得た.さらに繰り返し復号を導入することで伝送特性を改善できる可能性を見出した.受信アンテナ数以上の信号が受信される物理層ネットワークコーディングにおいても,低演算量で最尤検出に近い特性を達成した.
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