研究課題
2010年にシンボルペア符号と呼ばれる新しい誤り訂正符号が提案された.シンボルペア符号では,高速かつ高機能な信号読み取り処理をモデル化した通信路(シンボルペア通信路)を扱い,その通信路で発生する誤り(ペア誤り)を訂正する符号を設計する.しかしながら,シンボルペア符号として,誤り訂正能力の高い符号の設計方法や,その誤り訂正能力を十分に引き出す復号法について研究がなされていない.平成29年度は,シンボルペア通信路上の符号の代数的復号法として,前年度提案したトラップ復号法について,復号アルゴリズムの誤り訂正能力と計算コストについて考察した.近年提案されたシンボルペア符号の復号法に対して,誤り訂正能力,計算コストを比較し,提案復号アルゴリズムの有効性を示した.また,トラップ復号法は訂正可能な誤りパターンが限定されるため,復号アルゴリズムを拡張し,訂正可能な誤りパターンを増加させる方法について検討した.これらの研究成果を学術論文としてまとめ投稿し,掲載された.また,平成29年度は,シンボルペア符号とその双対符号の間の符号空間の関係について考察を行った.これについては平成29年度に成果が得られなかったため,次年度に引き続き検討を続ける予定である.
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