研究実績の概要 |
平成29年度の研究成果は以下の通りである。 本年度においては,画像復元の理論的発展のため,1.ハイパースペクトル画像のUnmixing手法,及び2. 多項式システムのスパース性(非ゼロ係数の数)と最大次元を同時に低減するスパースモデリング手法に関して研究を行った.詳細を以下に示す. 1. ハイパースペクトル画像のUnmixing手法:少数の成分のみから構成される物体が写る3次元画像(例えば水と鉱物と植物のみの画像,や水,脂肪,骨からなる医用画像)からその成分のみからなる画像に分離する手法を考案した.今回はハイパースペクトル画像における有効性を立証した. 2. 多項式システムの非ゼロ係数の数と最大次数を同時に最適化する数理的スパースモデリング手法を考案した.非凸最適化問題に帰着される問題を効率的に解くことにより従来手法に比べてよりスパースで低次元のシステムを導出可能なことを示した.ディジタルフィルタの近似問題に本手法を適用し,その有効性を立証した.今後は2次元画像に用いるディジタルフィルタの設計手法にまで本手法を発展させる予定である.
上記の研究成果に対して対外発表を行った。平成29年度は査読付きの学術論文誌4報の論文が採録された。その中にはトムソン・ロイターのインパクトファクターがそれぞれ2.407と3.244の学術雑誌と和文解説論文が含まれる.またIEEEのフラグシップ会議であるInternational Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP)およびInternational Conference on Image Processing等で成果を発表した。また,平成29年度の研究成果を国際会議に複数件投稿している.今後,これらを発展させ論文誌に投稿する予定である.
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